1-A-5【業務分析・データ利活用】業務の把握:情報収集と業務フローのビジュアル表現
はじめに
企業や組織の業務を適切に把握することは、効率的な業務改善や問題解決を進めるための第一歩です。本記事では、情報収集の手法と、得られた情報を活用した業務フローのビジュアル表現について解説します。
① 業務内容を把握するための情報収集
業務を理解するためには、現状を正確に把握するための情報収集が重要です。以下では、代表的な情報収集の手法を紹介します。
アンケート
- 目的:対象者から効率的に多数の意見を収集する手法。
- 特徴:
- 回答形式を統一することで分析が容易になる。
- 数値化しやすいため、傾向の把握や定量的な評価に適している。
- 課題:
- 質問設計が不十分だと、必要な情報が得られない。
インタビュー
インタビューは、対象者から直接話を聞くことで深い洞察を得る方法です。形式によって以下の種類があります:
- 構造化インタビュー
- 特徴:事前に用意した質問に従い、形式的に進める手法。
- メリット:回答の比較が容易で、定量的な分析に適している。
- デメリット:柔軟性に欠けるため、予定外の情報が得られにくい。
- 半構造化インタビュー
- 特徴:基本的な質問に加え、会話の流れで追加質問を行う手法。
- メリット:深掘りが可能で、新しい視点を得やすい。
- デメリット:回答の整理がやや難しい。
- 非構造化インタビュー
- 特徴:質問内容を固定せず、自由に話を聞く手法。
- メリット:対象者の意見やアイデアを幅広く収集できる。
- デメリット:情報の整理が困難で、分析に時間がかかる。
フィールドワーク
- 目的:実際の業務現場での観察や作業への参加を通じて、業務プロセスを理解する手法。
- 特徴:
- 実際の状況や課題をリアルタイムで把握できる。
- 業務の流れや文化、非公式なルールも見えてくる。
- 課題:
- 時間やコストがかかる。
- 観察者の主観が入る可能性がある。
② 業務フローのビジュアル表現
情報収集で得たデータを基に、業務内容を整理・可視化することが重要です。ビジュアル表現は、情報の共有や課題の発見をスムーズにする効果があります。
業務フローの作成方法
- プロセスマップ
- 業務プロセスを順序立てて示した図表。
- 特徴:誰が、いつ、何をするのかが明確。
- スイムレーン図
- 業務プロセスを部門や担当者ごとに分けて示した図表。
- 特徴:部門間の関係や役割分担が一目でわかる。
- フローチャート
- 業務の流れを矢印で繋いで視覚的に表現。
- 特徴:複雑な業務も簡潔に整理できる。
業務フロー作成のポイント
- 情報の整理:情報収集で得た内容を漏れなくまとめる。
- 課題の抽出:業務フローからボトルネックや非効率な部分を特定。
- 関係者との共有:ビジュアル表現を利用して関係者全員で共通理解を図る。
まとめ
業務内容の把握は、正確な情報収集と効果的なビジュアル表現を組み合わせることで、初めて具体的な課題解決につながります。アンケートやインタビュー、フィールドワークなどを駆使して業務の実態を把握し、業務フローを通じて整理・可視化することが重要です。これにより、効率的で効果的な業務改善が実現できます。