ITソリューションサービス

第4章 ITの活用

ITソリューションサービス

組織が戦略を実行し、成功するためには、企業内のコミットメントを固めることが重要であり、その上で重要な要素となるのが、ITへの投資とそのマネジメントである。効果的なIT投資となり得るITサービスを中心に重要用語を解説していく。

ソリューションサービス

 課題解決を図るためのサービスや、ソリューションを提供するサービスを「ソリューションサービス」という。ソリューションを提供する例として、様々な技術が開発されてきた。例えば、クラウドサービスはそれの一つである。インターネット上にデータを保存できるようにしたり、インターネット上で情報を共有できることで、リソースを所有せずに、自由に使い分けられるようにしたものである。


クラウドサービス

 クラウドサービスとは、インターネット経由で、コンピューティングシステムを提供し、自由にそのリソースを利用できるようにしたサービスのことである。例えばGmailを考えてみよう。Googleメールを使用すると、同じアカウントにログインしていれば、どのデバイスでGmailを使ってもメール受信履歴やある任意の相手にメールを送ることができる。Gmailは、クラウドサービスだからインターネットを経由すればデバイスが違っても、データを同期できるのである。

 代表的なクラウドサービスを紹介する。

●SaaS

 ソフトウェアをサービスとして提供するクラウドサービスのこと。サースと読む。利用者がインターネット上のアプリケーションを使えるようになっており、このアプリケーションがサービスとしてマネタイズされている。

●PaaS

 プラットフォームをサービスとして提供するクラウドサービスのこと。パースと読む。利用者が、あるプラットフォーム上で、アプリケーションを作成や編集、管理ができるようになっており、このプラットフォームの利用自体がサービス化されている。

●IaaS

 インフラストラクチャーをサービスとして提供するクラウドサービスのこと。イアースまたはアイアースと読む。仮想サーバ、機材、ネットワークなどをインターネット上のサービスとして提供することである。インフラストラクチャーとは、機能的基盤を意味する言葉である。インフラストラクチャーはIT分野だけで使用されることばではない。一般的にインフラストラクチャーというと、生活基盤を意味し、道路、鉄道、電気利用、公共施設などの人々が生活するための基盤要素を指す。IT分野におけるインフラストラクチャとは、ITの機能的基盤のことである。コンピュータがインターネットに接続したり、機能的に十分な利用を実現するためには、ネットワークやサーバが必要である。これらがITにおけるインフラストラクチャである。

これらのインフラストラクチャを所有するためには専門性や物理的な場所や機材が必要になることがあるが、それらを必要な企業に提供するサービスがIaasである。

クラウドコンピューティング:インターネット上にあるサーバやアプリケーションソフトウェアを利用する仕組みのこと。PaaSやオンラインストレージなどはクラウドコンピューティング技術で利用できるサービス



クラウドサービスの種類

 クラウドの使用に関しては、プライベートクラウドやパブリッククラウドなどがあり、用途によって使い分けがされている。

クラウド 特徴
プライベートクラウド ある企業や組織などに専用化されて提供されているもの
パブリッククラウド 不特定多数のユーザーに対して提供されているもの
コミュニティクラウド 複数の企業・組織利用者を対象に提供されているもの
ハイブリッドクラウド 上記の中から2つ以上を組み合わせて提供されているもの

ソリューションサービスの種類

 ソリューションサービスには他にも多くの種類があります。その一部を紹介します。

サービス 特徴
ホスティングサービス サーバを貸し出すサービス
ハウジングサービス サーバや通信設置のために、回線や設備・施設を提供するサービス
ESB クラウドサービスを利用していくと、複数のクラウド間でデータを共有する必要性が出てくる。この時に、ESB(Enterprise Service Bus)を活用することで、データ形式の変化・統一や連携を実現することができる。
オンラインストレージ インターネット上でファイルのストレージを提供するサービス(クラウドストレージともいう)
完了して続く