ソフトウェア - 表計算

第8章 コンピュータ

ソフトウェア - 表計算

表計算ソフトウェアとは、データを計算処理して、データを可視化・分析するための応用ソフトウェアです。Microsoft社が提供しているExcel、Google社が提供しているスプレッドシートが代表例です。Selucrehsでダウンロード可能なExcel/ スプレッドシートファイルを利用して、高度な技術を学びましょう。

表計算ソフトウェアとは

 表計算ソフトウェアとは、表に記載された数値の計算処理を自動化できるアプリケーションソフトウェアです。企業の業務では、様々な方法でデータを活用します。その上で欠かせないツールの1つが表計算ツールです。

 表計算ソフトウェアはマスが画面上に埋め尽くされてできています。このマス状でできている1枚のページのことをワークシート(またはシート)と言います。

 マス1つ1つは、セルと呼ばれます。横軸に英字、縦軸に数字が割り当てられており、英字と数字を利用してセルの場所を特定するセルアドレスがあります。

 このセルアドレスを利用して、複数のセルを同時に選択することができ、この選択している複数のセルのことをセル範囲という。

計算式の利用

 表計算ソフトウェアでは、計算式を作るときに一定の決まりがあります。計算式を入力するときは、以下のような決まりを必ず守りましょう。 

◼️ 演算子の利用

表計算ソフトウェアでは、あなたが小学生で学んだ「+」「-」「×」「÷」の演算子を利用します。しかし、注意しなければいけないことは、「×」は「✴︎ (アスタリスク)」、「÷」は「/ (スラッシュ)」を使うことです。

◼️ セルアドレス(/セル番地)の利

表に記載されている数値を入力して計算するのではなく、セルアドレスで計算式を作ります。A1とA2の数値を合計したいときは「A1+A2」と入力することで、自動で計算結果を出すことができます。

セルの参照:任意のセルに、ほかのセルアドレスを入力すると、入力したセルアドレスのデータが任意のセルに表示される。この一連の操作を、セルの参照という。


相対参照

 下シートのように、ジョン・マック・リサの3人の試験の合計点数を計算式で表現してみましょう。ジョンの合計点数を、セルアドレスを利用して「B2+C2」と入力しました。

 マックも、合計を同じ式で表現したいです。このように同じ計算式を複数回繰り返すときは、D3とD4列も同様にコピーすることで、計算式を複写することができます。 

 表計算ソフトウェアでは、複写をすると、セルアドレスに合わせて、計算式の内容を自動変換してくれます。そのため、D3とD4にも適切な式が挿入されるのです。

 このように、セルに合わせてセルアドレスを自動変換する参照方法を相対参照と言います。

絶対参照

 相対参照は、表の計算を自動化してくれる便利な機能ですが、時と場合によっては相対参照では不都合が生じることがあります。

 例えば、下シートを見てください。

 シート内では、3つの商品の金額とその送料が記載されています。表中の各商品の合計金額は、商品の金額に送料を加えた金額になります。

 C4とC5に計算式をコピーした場合、一律の送料を足したいにも関わらず、C1が変わっています。相対参照の場合、このような問題が生じることがあります。

 計算式をコピーするときに、固定したい数値(今回の場合は送料)があるとき、セルの英字と数字の間に「$」を加えることで数値を固定することができます。

 複写元の数値を固定することで、セルアドレスが相対参照によってずれることはなくなります。

 複写をしてもセルアドレスが移動しない参照方式を絶対参照という。

関数

 表計算では、計算式を入力するときに数学的な感覚が必要になります。そのため、複雑な計算式を作る必要がある場合は、複雑な表を作る場合は、計算式を自ら作るのは時間がかかりすぎます。

 そこで関数を利用することで、効率的に計算式を作り、表作成や資料準備の時間を短縮することができます。

 B9の合計点数を算出するときに、計算式を「B2+B3+B4+B5+‥‥」と入力することができるが、時間がかかり過ぎてしまう。

 ここでは、合計の関数を利用し、「合計(B2:B8)」と入力すると、B9に合計値が表示される。

<関数の書式>

関数名(引数)

 関数名とはどのような計算をしたいのか、引数とはどの範囲の数値を計算したいのか、を意味しています。

 ITパスポート試験では、複数の関数が出題されるので、各関数の書式を理解するためにも、表計算ソフトを実際に触ってみて使い方に慣れておくと良いでしょう。


関数の種類

 関数はどのように計算をするのかを表したもので、Microsoft社提供のExcelや、Google社提供のスプレッドシートで、関数名が異なる。ここではExcelの関数名を具体例として列挙している。

関数名 書式 Excelの関数名
合計 合計(S1:S3)→ セル範囲の合計値を求める SUM
平均 平均(S1:S3)→ セル範囲の平均値を求める AVERAGE
最大 最大(S1:S3)→ セル範囲の最大値を求める MAX
最小 最小(S1:S3)→ セル範囲の最小値を求める MIN
個数 個数(S1:S3)→ セル範囲内の空白でないセルの数を求める COUNT
整数部 整数部(S1)→ セルS1の値より小さく、かつ最大の整数値を求める INT
剰余 剰余( S1, S3)→ セルS1をセルS3で割った時の余りを求める MOD

IF関数

 ITパスポート試験で最も出題率が高いのがIF関数です。IF関数とは、任意の条件を指定して、満たすか満たさないかによって処理結果を変えることができる関数です。

 表計算ソフトウェアでは特に重要な関数で、状況に応じた計算結果を求めることができます。

 例えば、テストの点数が75点以上であれば合格、75点未満であれば不合格と表中で表示したい場合は次のようになります。

 IF(B2>=75, ‘合格’,’不合格’)

 75点以上の生徒は合格となり、75点未満の生徒は不合格と表示することができました。手入力するのではなく、IF関数を使用することで一括で合格と不合格を割り当てることができます。

完了して続く