財務諸表

第2章 財務

財務諸表

利益、売上高、費用、固定費、変動費、資産、負債などの各専門用語を理解し、財務諸表の基本構成を学ぼう。企業は世間に向けて財政状況を開示すべく、財務諸表の作成が義務付けられている。財務諸表には、大きく3つの文書がある。損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書はサイトからDL!

財務諸表

 株式の売上取引を行う証券取引所で株式が取り扱われている企業を上場企業という。上場企業は不特定多数の投資家から資金を得られる。

 上場企業には、有価証券報告書を開示する義務があり、開示された有価証券報告書は投資家の判断材料として使われる。その判断材料として財務情報をまとめた文書を財務諸表という。

 財務諸表は、複数の書類から構成されている。

  • 損益計算書
  • 貸借対照表
  • キャッシュフロー計算書


貸借対照表(B/S: Balance Sheet)

 会計期間の最終日時点の、企業が保有する資産、負債、資本を表にしたもの。企業の財務状況を示す。

 会計期間とは、企業会計における財務諸表を作る対象の期間のことで、期末には決算を行う。

用語 意味
資産 企業が保有している財産、または将来的に受け取ることができる金銭への債権のこと
負債 返済の義務を負っている債権のこと
資本 資産から負債を差し引いた金額のこと

 貸借対照表では、左側に資産、右側に負債と資本を記載する。資本は資産から負債を差し引いたものになるため、左右に記載される総金額はつり合う表になる。左右で均衡が取れているため、B/S(Balance Sheet:バランスシート)とも呼ばれる。

流動比率:流動資産に占める流動負債の占める割合を表す指標。流動比率=流動資産/流動負債。流動比率は一般的に200%以上であれば問題ない水準とされている。流動資産は貸借対照表の左側に、流動負債は右側に記載される。


損益計算書(P/L: Profit and Loss Statement)

 会計期間の最終日時点の、売上高と費用、および算出した利益(損益)を記載したもので、企業の経営成績となる表のこと。

 損益計算書を記載する上で、各業界や各企業によって記載する項目は異なる。例えば、電力会社の場合、エネルギー企業関連の法律に則る必要があるため、必然的に記載する項目が変わる。


キャッシュフロー計算書

 一定期間の資産の流れの状況を表わしたものである。キャッシュフロー計算書では、主に営業活動、投資活動、財務活動の3つの活動に区分して、キャッシュフローを記載する。キャッシュフローとは、会計上での現金、資産、利益の流れのことである。

キャッシュフロー 意味
営業キャッシュフロー 商品の仕入れや販売を通じた本業で発生するキャッシュフロー
投資キャッシュフロー 固定資産や債券などの売買で発生するキャッシュフロー
財務キャッシュフロー 資金の借り入れ、調達や返済、株式発行で発生するキャッシュフロー

ROE(自己資本利益率)

 ROE(Return On Equity:自己資本利益率)は、会社が株主から投資されたお金を元手にどれだけ利益をあげられたかを表す指標。

ROE(%) = (当期純利益 / 自己資本) × 100

自己資本とは、株主から投資されている総額のこと。

資本金:ITパスポート試験では、自己資本金が貸借対照表のどこに記載されるかが問われます。資本金は、純資産です。


ROI(投資資本利益率)

 ROE(Return On Investment:投資資本利益率)は、投資に対してどれだけ経常利益を出しているかを表す指標。

ROI(%) = (当期経常利益 / 投下資本) × 100


完了して続く