入出力装置

第8章 コンピュータ

入出力装置

コンピュータを使うには、キーボードやディスプレイなどの周辺機器が必要です。入力装置や出力装置はマウスやプロジェクターのような商品として、さまざまな種類が販売されています。試験では、ディスプレイとプリンタは、頻出問題のため押さえておきましょう。入力インタフェースについても知識を覚えて解答力を身につけましょう。

入力装置の種類

 入力装置について解説していきます。まず、入力装置の種類を紹介します。

種類 説明
カメラ カメラは、外的情報を二次元画像として端末に取り込む。
マウス 上下左右に動かして、画面上のカーソルを移動させることができる。
タッチパネル スマートフォンやタブレット端末に搭載され、指や専用のペンを使って画面を操作できる。シングルタッチやマルチタッチなど、複数の操作方法がある。
イメージスキャナ 絵や写真を画像データとして読み込む。
マイク 外的な音を音声データとして取り込む。

シングルタッチ:1箇所だけに触れて画面を操作する方式

マルチタッチ:服す箇所に同時に触れて画面を操作する方式


デバイスドライバ

 コンピュータから周辺機器を操作するためのソフトウェアのことをデバイスドライバといいます。単にドライバともいいます。周辺機器の種類ごとにデバイスドライバをコンピュータに搭載するのは非現実的なため、各周辺機器のデバイスドライバの操作用モジュールをコンピュータの最新のOSに組み込む仕組みになっています。OSを更新した場合、デバイスドライバの再インストールが必要です。

 周辺機器をコンピュータに接続すると自動的にデバイスドライバをインストールする機能をプラグアンドプレイといいます。

OCR

 OCR(オーシーアール)とは、画像上の文字を文字データとして読み込むための技術や装置のこと。

出力装置の種類

 次に、出力装置の種類を紹介します。代表的な種類には、誰も使ったことがあるプリンタがあります。

種類 説明
液晶ディスプレイ 液晶分子を利用し光の透過量を調節することで画面を表示する。
プロジェクター 画像や動画データを、壁面に光を投射することで表示する。
プリンタ 絵や文字、図形データを紙として印刷する装置。インクジェットプリンタ、レーザプリンタ、3Dプリンタなど、様々な種類のプリンタがある。
スピーカー 音声データを音として発することができる装置。

ディスプレイとは

 ディスプレイとは、文字や画像データを粒子の集まりによって表現する装置のこです。画像や文字を表示するために必要な粒子1つ1つのことを画素またはピクセルといいます。1つの文字や画像を表示するために必要な画素の数のことを画素数と呼びます。

 誰でもカメラを使用するときやテレビ購入について考えるとき、解像度という言葉を聞いたことがあると思います。解像度とは、ディスプレイの画面上に表示できる画素数のことで、「横に表示できる画素数」×「縦に表示できる画素数」で表します。

(上図)

画素数=2

解像度=4×3

(下図)

画素数=15

解像度=10×6


 表示したい画像の画素数が同じでも、解像度が高いディスプレイで表示すると、小さく見えることがあります。

 解像度が高いほど、細部まで画像や映像を表示できます。

4Kと8K:4Kは横3840×縦2160の解像度、8Kは横7680×横4320の解像度の映像です。4Kは4,000を意味し、8kは8,00を意味しています。


プリンタとは

 プリンタとは、絵や文字、画像を紙として印刷する出力装置です。プリンタは、解像度をdpi(dots per inch)で表します。ドット(dot)とは、画素のように画像データを構成する点のことで、dpiの数値が大きければ大きいほど、細かく画像を表示することができます

◆インクジェットプリンタ

 代表的な例として、インクジェットプリンタがあります。インクジェットプリンタは、インク粒を直接用紙に吹き付けることで印刷を行います。比較的コストが安いため、家庭用プリンタとして一般利用されています。

◆レーザプリンタ

 感光ドラム上に印刷イメージを作り,粉末インクを付着させて用紙に印刷する方式のプリンタです。レーザ光線によって図や文字を印刷イメージを作るのが特徴です。印刷速度の観点で性能が高いため、業務用として普及しています。

◆3Dプリンタ

 3次元データを利用して、立体物を造形するプリンタです。従来のような用紙に印刷するような2次元的な印刷ではなく、立体物を造形する特徴があります。

◆インパクトプリンタ

 タイプライタのように活字を機械的に用紙に打ち付けるプリンタです。印刷時にカーボン紙やノンカーボン紙を使うことで複写が取れるのが特徴です。


ディスプレイとプリンタの色表示方式

 ディスプレイとプリンタでは、色の表示方式が異なります。ディスプレイではRBSカラー(光の三原色)、プリンタではCMYKカラー(色の三原色)を使用して、色を表現する。

<RBSカラー>

 ディスプレイは、赤:RED、青:BLUE、緑:GREENの3色を組み合わせて色を表現する

<CMYKカラー>

 プリンタは、赤紫:マゼンタ、青緑:シアン、黄:イエローの3色を組み合わせて色を表現する。この3色を色の三原色という。しかし、実際にはこの3色で純粋な黒色を表現できないため、ブラック:BLACKを組み合わせたCMYKカラーを使用している


光の三原色と色の三原色

 光の3原色は、赤・緑・青の3色を混ぜ合わせると、白色になります。色の三原色は、マゼンタ、思案、イエローの3色を混ぜ合わせると、黒色になります。しかし、この黒色は純粋な黒色ではないため、プリンタの色ではCMYKカラーが採用されることが多いです。


インタフェースとは

 インタフェースとは、コンピュータと周辺機器を接続するときの規格のことです。例えば、ノートパソコンにデータを取り込むためにUSBを使用することがあると思います。USBを使ってデータを送受信できるのは、インタフェースがあるからです。

 各パソコンメーカーが別々の接続口を開発した場合、メーカーが異なる機器同士のデータ送受信ができなくなります。このような事態を防ぐために、インタフェースが設けられています。


※周辺機器とは、キーボード、マイク、マウスなどのコンピュータに接続する必要がある機器のこと。

ワイヤレスインタフェース:物理的なケーブルやワイヤを必要としないインタフェースをワイヤレスインタフェースという。Bluetooth技術はワイヤレスインタフェースの1つである。

インタフェースの種類

 インタフェースには、USB、HDMIなど、様々な種類があります。代表的なインタフェースを紹介します。

種類 説明
USB USB:Universal Serial Busとは、パソコンに周辺機器を接続するための規格。コンピュータの電源が入っていても接続/接続解除ができるホットプラグに対応している。パソコンのUSBプラグが不足している場合は、USBハブを利用することで、複数の機器に接続することもできる。USB端子には複数の種類があり、接続先のコンピュータ側のコネクタ形状が異なる
HDMI HDMI:High Definition Multimedia Interfaceは、テレビやゲーム機器、プロジェクタなどに多く利用される機器同士の接続のための規格。音声と映像の送受信を行う。
IEEE 1394 デジタルカメラ、AV機器とコンピュータを接続するための規格のこと。高速なシリアルバスとして認識されており、ホットプラグにも対応している。
IDE コンピュータとハードディスクドライブ(内臓HDD)を接続するための規格。

ホットプラグ:コンピュータの電源を入れた状態のまま周辺機器の接続/接続解除ができる機能のこと

HDMI:ITパスポート試験では、「映像、音声及び制御信号を1本のケーブルで入出力するAV機器向けのインタフェース」と間接的に表現されることがあります。


 インタフェースには、物理的なケーブルを必要としないワイヤレスインタフェースもあります。

種類 説明
Bluetooth 電波を使用してデータ送受信を行う。携帯電話やゲーム機器で利用されることが多い。
IrDA 赤外線を使ってデータ送受信を行う。携帯ゲーム機同士などで利用する。
NFC 携帯端末で使用される、数cm程度の近距離通信で行う規格のこと
BLE 数百mまで近距離通信が可能な低価格の無線通信技術。

通信距離:ワイヤレスインタフェースの種類と通信可能距離を確認しましょう。 ●Bluetooth:数m~100mの範囲 ●IrDA:30cm~2mの範囲 ●NFC:10cm前後の範囲

完了して続く