技術開発戦略
第4章 ITの活用
技術開発戦略
企業が行う製品や商品の研究開発をR&D(Research & Development)という。自社で研究開発を行うことで、競合優位性を生み出しすことができたり、自社ノウハウを蓄積することができるようになります。ITパスポート試験では、オープンうのベーションとハッカソンの出題率が高いです。
技術開発戦略
技術開発戦略とは、研究開発部が中心となって取り組む戦略のことです。研究開発部とは、R&D(Research & Development )を指しており、近年では企業自身が自社製品やサービスの研究機関を設立することが少なくありません。
ITの急速な成長により、技術開発の必要性が年々高まっています。
技術開発戦略の元となる思想は、技術とビジネスの両軸は独立的なものではなく、互いに作用しあうものだという考え方です。技術開発を強化しながらビジネス戦略を策定するのが主流となっています。
MOT(技術経営)
技術とビジネスは独立した要素ではなく同じ枠組みの中で考えるべきものだという思想に基づき、MOT(技術経営:Management of Technology)が重要視される。MOTとは、事業創出により社会の好循環を創り出すために、科学的/工学的知識や技術力を管理することです。
最先端技術を経営資源として捉え、戦略的に活用する上で、MOTの知識は非常に役に立ちます。
テクノロジーロードマップ
テクノロジーロードマップ(ロードマップ)とは、技術予測手法の1つで、技術動向を分析した結果として今後の技術動向の推移予測と、技術開発戦略に基づいた自社目標を表した図表のことです。横軸に時間、縦軸に技術で図表を作成するのが一般的です。
オープンイノベーション
オープンイノベーションとは、自社技術を他社に積極的に公開・共有することで、アイデアの創出を支援することで、イノベーションのスピードを加速しようという思想のことです。
従来はクローズドイノベーションが主流で、自社開発した技術やナレッジを他社に公開せず、自社完結するのがあたり前でした。
現代では、消費者から求められる商品の変化が急速なため、消費者動向に合わせたスピード感のあるイノベーションが求められています。
ハッカソン
ハッカソンとは、オープンイノベーションを実現する手法の1つです。
エンジニアやデザイナー、ビジネスプランナーが一堂に会して、技術やナレッジを公開し合い、その場でアイデアを共有しあうイベント・会議のことです。HackとMarathonから作られた造語です。短期間で品質の高い商品を開発するのが目標となっています。
他社メンバーを招待することもあり、社内では生まれなかったアイデア創出も可能です。
ブレインストーミング:複数人が集合して、自由に意見を出し合うアイデアの創出手法のこと。
イノベーションを阻む3つの障壁
技術経営(MOT:Management of Technlogy)では、新技術を事業化するプロセスを4つのステップに分けています。次のステップに移行するとき立ちはだかるであろう障壁が各境界線に1つずつ提唱されています。テクノロジーを駆使してイノベーションを起こすためには、3つの障壁があると言われています。それが、魔の川(Devil River)・死の谷(Valley of Death)・ダーウィンの海(Darwinian Sea)です。
●魔の川
研究を終えて、実際の製品やサービス開発に進む前に立ちはだかる障壁。競合の出現や、消費者のニーズの変化、技術不足によって、技術開発に踏み込めなくなるという困難です。
●死の谷
技術開発後に事業化する前に立ちはだかる障壁です。開発技術を市場に出すためには、人材、資金などのリソースが必要です。リソースを確保しつつ、運営資金を最適に使用するプロジェクトマネジメントが求められます。
●ダーウィンの海
事業が1つの産業として成立する前に立ちはだかる障壁を指します。ターゲット顧客に認識され、浸透しなければ、事業化しても経済的な循環は生み出せません。
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