財務
第2章 財務
財務
ビジネスに携わる人は必ずお金について考えるタイミングがあるはずです。単価、売上、資産、負債など、様々なお金に関する用語を聞いたことがあるでしょう。財務を理解することは、企業間のお金の流れを学ぶことにつながります。
2つの会計
会計は、財務会計と管理会計にわけることができる。
- 財務会計・・・外部の利害関係者(ステークホルダー)に財政状態と経営状況を示すための会計
- 管理会計・・・内部の経営者が経営における意思決定に用いるための会計
財務
ITパスポート試験では、利益、費用、売上高などの計算問題が出題されるため、それらを導く方法を理解しておく必要はある。これから出てくる、利益、売上高、費用、固定費、変動費の言葉の定義を正しく理解しよう。
売上高、費用、利益
企業は、お金が生産させる工場のようなもの。サービスや商品を顧客に提供する見返りとして収益を得ている。
企業がサービスや商品を売って得た金額を売上高、サービスを提供したり商品を販売したりするために費やした金額を費用、売上高から費用を差し引いた金額を利益と言う。売上高、費用、利益の3つの要素を1つの式で表すと次のようになる。
売上高 - 費用 = 利益
利益を出すには、売上高と費用の両方を正しく管理し、最終的に残る利益が最大化するように様々な施策を打つ必要がある。たとえ、企業が質の高いサービスを提供したり、商品を大量に販売したとしても、サービス提供にかかる人件費が高かったり、商品製造にかかる費用が高いと、利益は上がらない。
企業は、売上高、費用、利益の3つの要素を最適化するためには、お金にまつわる様々な管理をしている。このお金にまつわる業務を財務という。
売上総利益:売上高から売上原価を差し引いた額の呼称。粗利(あらり)とも呼ばれる。 売上総利益=売上高 - 売上原価
営業利益:売上総利益から販売管理費および一般管理費を差し引いた額の呼称。営業利益=売上総利益 - (販売管理費+一般管理費)
経常利益:営業利益に、営業損益を加味した金額の呼称。 経常利益=営業利益+営業収益 - 営業費用
費用
費用とは、コストとも呼ばれる。商品や製品を販売するのにかかる金額のことを費用、コストと言う。
費用には、大きく2つの種類がある。
費用 | 説明 |
---|---|
固定費 | 売上高の増減に関わらず、商品やサービスを提供するのに一定に発生する費用 |
変動費 | 売上高の増減に伴い、発生する金額が変動する費用 |
参考:売上と売上高の違い
売上(うりあげ)と売上高(うりあげだか)という言葉が示す意味に違いはないが、言葉の使用場面によって使い分ける。財務上では、売上高という言葉が正式に使用され、それ以外では売上と言われることが多い。
利益(損益)
利益は、売上高から費用を差し引いた金額である。売上高が費用を上回ると、差額を利益として計上できる。一方で、売上高が費用を下回ると、赤字計上となり、損益として計上される。
利益(/損益) = 売上高 - 費用 = 売上高 - (固定費 + 変動費)
売上高>費用のとき、利益
売上高<費用のとき、損益