e-ビジネス

第4章 ITの活用

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組織が戦略を実行し、成功するためには、企業内のコミットメントを固めることが重要であり、その上で重要な要素となるのが、ITへの投資とそのマネジメントである。効果的なIT投資となり得るITサービスを中心に重要用語を解説していく。

EC(Electric Commerce:電子商取引)

 ECとは、データ通信やデータ通信やコンピュータなどの電子的な手段を介して行う商取引のこと。オンラインで遠隔で商品を購入することと同義で、この定義に該当するものは全てECになる。

 ITパスポート試験では、「【2】商取引の分類」に関連する問題が多いです。EC分野では【2】を必ず確認しておきましょう。


商取引の分類

 商取引は、Business(事業)、Comsumer(消費者)、Employee(従業員)、Government(政府)の各英単語の頭文字をとって、以下のように分類されます。

分類 説明
BtoB 企業が企業に向けて商品を販売する取引
BtoC 企業が個人に向けて商品を販売する取引
BtoE 企業が従業員に向けて商品を販売する取引
CtoC 個人が個人に向けて商品を販売する取引
GtoC 政府が個人に向けて商品を販売する取引
BtoG 企業が政府/自治体に向けて商品を販売する取引

ロングテール

 売り上げの少ない商品一覧のことをロングテールと呼ぶ。1つ1つの売り上げは少ないものの

 集めれば大きくなるため、ECで応用するにはテール部分の商品の品揃えを用意するのが効果的だ。


デジタルトランスフォーメーション

 デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)とは、ITを人々の生活で利活用し、新たな方向性を生み出すことです。トランスフォーメーション(Transformation)とは「変質、変化」を意味する英単語です。

 現代では、デジタルによってスマート家電やクラウドサービスなど、様々な変化が生じています。加えて、グローバリゼーションの発展により、SNSが普及し個人個人の接続性も高まっています。その上で、世界的に注目されているのがデジタルトランスフォーメーションです。


SEO(検索エンジン最適化)

 SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)は、GoogleやYahooの検索エンジン上で閲覧したい情報を検索しているとき、自社のWebページが検索上位に表示されるようにHTMLやリンクの内容を工夫する手法のことです。

 上位表示されるかどうかは、アクセス数、離脱率、維持率によって変わるため、上位表示を狙うために以下のような施策に取り組みます。

  • Webサイトの更新頻度を増やす
  • サイト上でのキーワードの盛り込み
  • ページの表示速度を増やす
  • ユーザビリティの高いページ設計をする


インターネット広告手法

 インターネットを利用して消費者に対して販促活動をするための手法を紹介します。ストラテジ系で出題されるため、各広告手法について理解しておきましょう。

広告手法 説明
アフィリエイト 広告を、他の個人または企業が所有するホームページに掲載し、商品やサービスが売れたとき、報酬をホームページの所有者に支払う仕組みの広告手法
メールマガジン 利用者からメールアドレスを取得し許可を得て、対象者に電子メールで広告を配信する手法。 利用者から配信許可を得ている場合は、オプトインメール広告といい、許可なし配信することをオプトアウトメール広告という。
検索連動型広告 検索エンジンで特定のキーワードで検索された場合、検索結果の上位に表示させるようにする
バナー広告 Webページの一部に表示された広告用の画像をクリックし、販売用のページに遷移させる広告手法

A/Bテスト:インターネット上でマーケティング活動をするとき、最適な広告パターンを導き出すために行うテスト手法のこと。AパターンとBパターンを試して、どのパターンが最もユーザー反応が高いのかを見極めます。

金融商品・金融サービス

●暗号資産 

 暗号資産とは、仮想通貨と呼ばれるデジタル通貨のことです。ブロックチェーン技術を基盤にして開発されました。法律で定められている通貨(法定通貨)としての効力は国が保証しているわけではないので、取引の際に問題が発生しやすいというリスクがあります。

 暗号資産交換業を行う場合は、内閣総理大臣の登録を受ける必要があります。しかし、官公署は暗号資産への交換を推奨しているわけではありません。暗号資産は、安全上、懸念点が多いからです。暗号資産は、様々なリスクがあるため、自己責任で実施しなければいけないことを念頭におきましょう。

●Fintech

 Finance(金融)とTechnology(技術)の2つの英単語から作られた造語です。情報技術を駆使して金融商品やサービスを創り出すこと、またはその金融商品やサービスを指すことです。

HR tech

HRはHuman Resource(英語で「人事、人材」)の略語です。人的資源を最適活用するためにシステムや情報技術を取り入れることをHR techと呼びます。人事・組織システムはHR techの1つです。

●クラウドファンディング

 事業資金を得るなどの目的として、大勢の人数に資金援助の依頼をして、その事業に賛同するユーザーが資金を提供する仕組みをクラウドファンディングという。

 クラウドファンディングには、複数の種類があります。

クラウドファンディングの種類 説明
貸付型 資金を貸し付けて、利息とともに元本返済金を受け取る
寄付型 寄付目的で資金提供を行う
購入型 資金を提供して、見返りとして商品やサービス利用権を受け取る
投資型 資金を提供して、事業利益の一部を配当金として受け取る

クラウドファンディング:群衆(crowd)と資金調達(funding)の2つの英単語からなる造語です。インタンネット上で不特定多数の人から資金提供を呼びかけて資金を集める手法をクラウドファンディングといいます。

エスクローサービス

 商取引において、支払いや商品の発送などについて安全性を保証する仲介サービスのこと。

 仲介業務を依頼されたエスクローサービス業者は、買主と売主のどちらにも安全な取引を実施できるように手配します。


RFID (Radio Frequency IDentification)

  RFIDとは、情報を記録した超小型ICチップを利用して、無線によるデータのやりとりを行う技術のことです。電車乗車用カードにはRFIDの技術が活用されています。読み取り装置の間に障害物があっても、数cm〜数mであれば無線通信が可能です。


EDI (Electronic Data Interchange)

 EDIとは、ネットワークを介して異なる組織間の取引データを交換する仕組みのことです。国際的な標準規格「EDIFACT」が必要となっています。






完了して続く