AI

第4章 ITの活用

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AI・人工知能には限りない将来性があります。第2次AIブームでは、研究者や事業者にAI・人工知能の能力は限界に達したと思われ、一度は見放された分野でした。しかし、現代では、未来に欠かせない技術としてのポジションを確立しています。ここでは、ITパスポート試験範囲を中心に解説していきます。

AI(Artificial Intelligence:人工知能)

 AIとは、Artificial Intelligenceの略語で、人工知能を意味します。人工知能とは、人間の知的活動をコンピュータ上で人工的に発生させる技術です。

 知的活動とは、具体的には言語の理解や推論、問題解決のことです。

 もともと人工知能とは意味の広い言葉で、さまざまな種類があります。

AIの種類 説明
エキスパートシステム 膨大な既知情報をもとに推論結果を出す人工知能
チャットボット 人間のチャットのやり取りができる人工知能。対話形式で何ら違和感のない会話ができる
画像生成 入力された情報から画像を生成する人工知能
マルチタスクAI 処理するタスクを切り替えられるだけでなく、タスク処理を分析して学習することで他のタスクの処理能力も向上する人工知能
画像認識 画像から一定のパターン/規則性を抽出し、意味を持つ対象データを取り出す人工知能
音声認識 音声から一定のパターン/規則性を抽出し、意味を持つ対象データを取り出す人工知能

AI・人工知能:AI・機械学習・ニューラルネットワーク・ディープラーニング(深層学習)の4つの用語が頻出です。各用語の意味を確認しておきましょう。

テキストマイニング:自由な文字列を単語や文節に区切り、各単位の出現頻度や出現傾向を分析する技術のこと。

機械学習

 機械学習とは、人間が持つ学習活動をコンピュータ上で再現する技術のことです。学習とは、データの規則やパターンを覚えることで、学習によってデータ処理効率を高めていきます。

 機械学習には3つの種類があります。

機械学習の種類 説明
教師あり学習 入力データと出力データをセットにしてコンピュータに与え、これを複数回繰り返すことで、コンピュータに学習させる手法です。
教師なし学習 入力データのみをコンピュータに与え、推測させる学習手法です。人間でも正解がわからないときにこの学習手法を利用します。
強化学習 強化学習では、最終結果データのみを与える学習手法です。正解がわかっていても、正解に辿り着くまでの手順がわからないときに利用します。 例えば、将棋ソフトでは、ソフトウェアが駒を動かしながら「勝ち負け」の最終結果データを得ます。将棋ソフトは、勝ちパターンをさらに分析して、勝つための最適解を学習するようになります。

ディープラーニング

 ディープラーニングは深層学習とは呼ばれ、機械学習よりも高精度の分析が可能な学習手法です。より複雑な対象データについて学習をするためには、階層構造化してさまざまな粒度に落とし込む必要があります。ディープラーニングでは、各粒度の特徴的なデータを抽出できます。

 画像認識、音声認識、文字認識、レコメンデーション機能に活用されている技術です。抽象的で概念的な処理を可能にします。

完了して続く