問2
ATM(現金自動預払機)が1台ずつ設置してある二つの支店を統合し,統合後の支店にはATMを1台設置する。統合後のATMの平均待ち時間を求める式はどれか。ここで,待ち時間はM/M/1の待ち行列モデルに従い,平均待ち時間にはサービス時間を含まず,ATMを1台に統合しても十分に処理できるものとする。
〔条件〕
- 平均サービス時間:Ts
- 統合前のシステムの利用率:両支店ともρ
- 統合後の利用者数は,統合前の両支店の利用者数の合計
M/M/1の待ち行列モデルの計算公式を知らないと解けないまたは時間がかかりすぎる問題である。M/M/1の待ち行列モデルとは、ある目的のために待っている現象をモデル化したもので、モデルの中でもっとも基本的なモデルである。M/M/1待ち行列モデルは、「客が待ち行列に並んで、客がサービスを受ける時間はそれぞれ異なり、かつサービス窓口は一つ」という状況を表している。
M/M/1の待ち行列モデルでは、以下の公式で平均待ち時間を求める。
平均待ち時間 = 利用率/(1-利用率)×平均サービス時間・・・①
利用率は〔条件〕より両支店ともρ(ロー)であることがわかる。利用率とは単位時間あたりにATMが使用されている割合である。平均サービス時間はTsで両支店と同じATM取引のため同じである。つまり、両支店とも同じ利用者数であることがわかる。
統合後は、統合前の両支店の利用者数の合計になるため、利用率はρ+ρで、ρの2倍の2ρになる。
利用率ρと平均サービス時間Tsを①にあてはめると、答えがエになる。